春夏通算11度の甲子園出場を誇る酒田南(山形)の新監督に、同校OB北川泰俊氏(37)が今春就任した。

12日、コロナ禍による自粛明け初の練習試合(13日)に備えて酒田市内で練習。同監督は「私も大阪から山形に来て大きな財産をいただいたので恩返しがしたい。卒業生としても負けっぱなしは悔しいですし、甲子園に行くんだという強い思いです」。今夏は代替大会(7月11日開幕)とはなったが、12年夏以降遠ざかっている聖地切符を後輩たちとつかむ決意を新たにした。

今年1月に、高校時代に2学年上の主将だった鈴木剛前監督から引き継いだ。直近は、武相(神奈川)で指揮をとる母校恩師の西原忠善監督のもとでコーチを務め、学んできた。「礼儀、あいさつからしっかりやって、一致団結したい。山形もレベルが上がってきている。他校とも切磋琢磨(せっさたくま)して、山形県が強いというイメージを全国に植え付けたい」。4月以降は休校や練習自粛が続き、本格的な指導は先月25日に開始したばかりだが、強豪県への使命も担う。

97年の初出場から9年間で、4年連続を含む7度の出場を果たしてきたが、近年は県の頂点をつかめていない。自身は1年から4番を務め、00年の同校甲子園初勝利にも貢献。高校、大学、社会人、クラブチームでの選手、コーチ経験を、母校に還元する。

◆北川泰俊(きたがわ・やすとし)1983年(昭58)5月29日生まれ、大阪・東大阪市出身。中学時代の大東畷ボーイズでは西武中村剛也とチームメート。酒田南では3年連続で甲子園出場。立命大卒業後は1年半のサラリーマン生活を経て、岩手21赤べこ軍団に加入し、都市対抗出場。箕島球友会で現役引退。酒田南、福知山成美大、武相のコーチ後、今年1月に監督就任。右投げ右打ち。内野手。独身。