今秋ドラフト候補の来田涼斗外野手、中森俊介投手(ともに3年)擁する明石商(兵庫)が15日、明石市内の同校グラウンドで約2カ月ぶりに全体練習を再開した。

この日までに県独自大会と甲子園での交流試合が決定。冒頭のミーティング、狭間善徳監督(56)は100人を超える部員に向け「人生良いこと悪いことある中で、こういうこと(大会開催)になったの感謝せなあかん。代替大会、甲子園の1試合、一生懸命やる姿を見せるのが恩返しになる」。最後まで懸命に食らいつくのが明商野球。指揮官が再起を呼びかけた。

高校野球を終える最後の瞬間まで、全勝で飾る。主将の来田は「あと代替大会と甲子園での1試合だけなので、全勝という目標を立ててやりたい」と日焼けした顔で宣言。活動休止中は兄弟と自宅近くでトレーニングを積んだほか、打撃フォームの修正に取り組んだ。課題だった打撃面でのタイミングの取り方も良化傾向。この日のフリー打撃でも快音を響かせ、指揮官も認める好調をキープ。

最速151キロ右腕・中森も「秋は(県の)決勝で負けて、この夏は代替大会も甲子園もしっかり勝って高校野球を終えたい」と来田同様に必勝宣言。3月から体重を約5キロ増の88キロとし、休校期間は直球磨きに注力。広島時代の前田健太の投球動画などをヒントに「リリースの瞬間だけに力を入れるというのがしっくりきた。自分の感覚では球威が良くなっている」と投球術の幅を広げた。この日は立ち投げで約40球。約2カ月のブランクがあるだけに、慎重な調整が求められそうだが「バッターに立ってもらう機会がなかった。早く紅白戦とかで投げたい」と実戦機会が待ち遠しい様子を見せた。

本格始動初日のこの日は巨人、オリックスの2球団が視察。両選手とも今秋ドラフトの上位候補。プロを目指す意思を持ちながらも、進路については今後の状況も踏まえながら、狭間監督や両親と話し合う方向という。

▽来田 オリックス下山スカウト「体ができているのは武器。スイングの力は(高校生)トップクラス」 ▽中森 巨人岸スカウト「(秋より)バランスが良くなっている。力感が抜けた感じがある」