第102回全国高校野球選手権大会(甲子園)中止にともなう代替大会が、秋田県でも開幕した。

秋田工は背番号「10」右サイド腕・小西龍稀(3年)の「クイック投法」がさえ、仁賀保に12-0の5回コールドで大勝した。捕手からボールをもらって投球動作に移るまでの時間は約5秒。横手からテンポ良く投げ込み、「打たせて取る投球と打者に考えさせない投球は自分の持ち味」と初回から3回連続の3者凡退。4回に1安打を許すも無失点と好投。正味3分程度で料理するイニングもあり、試合時間も1時間25分と短くまとめた。

大会前に大きな刺激をもらった。同校の軟式野球部が5日、県代替大会準決勝で2度の全国Vを誇る能代を接戦で下し、決勝はサヨナラ勝ちで東北大会(8月9日開幕、宮城)進出を決めた。軟式部の部長を務めていた経験がある佐藤将隆監督(40)は「トップをつかんで良い流れを持ってきてくれた。硬式野球部も負けない活躍をしたい」と力を込めた。

昨夏3回戦で敗れた明桜とは、ともに勝ち上がれば準決勝で対戦できる。伊藤功馬外野手(3年)は「軟式が県優勝をしてくれて、今年は秋田工の年だと示したい。先輩たちに良い報告ができるよう、リベンジしたい」。秋田アベックVを果たし、高校最後の夏を長くする。【相沢孔志】