大館国際情報学院が4強入りした16年以来4年ぶりに初戦突破を決めた。先発左腕の戸田歩夢(3年)が緩急を使った巧みな投球で7回1/3を1失点。伏兵の8番五十嵐翼外野手(3年)が2打点と気を吐いた。最終回は大館鳳鳴に1点差に迫られたが、戸田が再登板し4-3で逃げ切った。大館勢が3校集まるトーナメントを勝ち上がり、14日に8強入りを懸けて十和田と対戦する。

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戸田は最速121キロの直球と90キロ台のカーブを軸に相手打線を苦しめた。「あまり調子は良くなかった。緊張して浮足立ってしまい、初回はストライクを先行できなかった」。1、2回は制球が乱れたが、3回以降に持ち直し、本来の打たせとる投球で凡打の山を築いた。

最後の夏に真価を発揮した。「去年とかは力任せの場面もあったけど、球が遅くてもキャッチャーが構えたところに投げる、低めにというのを意識してきた」。7回を1失点でまとめて降板。それでも9回、味方がピンチを招き、1点リードの2死一、二塁で再登板。「ここを抑えてやろう」と強い気持ちでマウンドに上がり、最後の打者を左飛で打ち取った。

強風で難しい状況の中、試合終了となる3アウト目をレフトで捕球した五十嵐は「(9回までの)試合の中でアウトにする場面は1度もなかったが、1つは来ると思っていた。『俺に来い』という気持ちだった。頭を越された感覚はあったけど、足が動いて冷静に捕れた」。一打サヨナラという場面でチームを救った。

五十嵐はバットでも貢献。2回には「強くたたくイメージ」で2点適時打を放った。「ランナーが2人出て流れはこっちに来ていた。初球からいこうと思っていた」と戸田を援護した。次戦で勝利すれば8強。4年ぶり初戦突破の勢いで、新たな歴史を築いていく。【山田愛斗】