南北海道大会は4日、1回戦3試合が行われた。昨夏の南北海道大会で準優勝した札幌国際情報が、昨秋全道準優勝の札幌日大を5-2で下し初戦を突破した。昨年は代打の切り札だった5番高橋瑠斗遊撃手(3年)が勝ち越し打を含む4安打1打点2得点とチームをけん引した。

昨春センバツ出場の札幌大谷、昨夏南北海道8強の北海も準々決勝に駒を進めた。5日は北北海道大会が開幕する。

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切り札が主役になって札幌円山に戻ってきた。昨夏と秋の準優勝校同士の一戦。均衡を破ったのは札幌国際情報の5番だった。1-1の6回1死三塁。高橋瑠は直球を強振。打球は大きな放物線を描き、フェンス上段に直撃した。「狙い通り、高めの直球。入ってくれればって思いましたけど、打てて良かった」。次打者の代打、三戸の中前打で生還し、盛り上がるベンチで祝福を受けた。

準優勝した昨夏は南大会4戦全てに代打で出場し4打数3安打2打点。代打の神様として脅威を与えた打棒を、今夏はフルで発揮している。1打席にかけた夏から1年。「緊迫した経験が生きている。1本でしとめるという気持ちを前に出してスイングしている」。地区は2戦でソロ本塁打1本を含む4安打で5割。この日も2、4回に左右に二塁打2つ。8回には先頭で中前に運び、貴重な4点目のホームを踏んだ。「ファーストストライクからどんどん振ったのが良かった」と納得顔だ。

昨秋準V校を撃破しての初戦突破。試合前、有倉雅史監督(53)から試合に臨む心構えが伝えられた。「1回戦がヤマ場。ここを全員の総合力で乗り切れば南大会は(最後まで)いけると話した」と高橋瑠。遊撃の守備でも初回の併殺や4度の打球処理も難なくこなして、地区から3戦連続完投を続けるエース右腕原田を擁護した。

16チーム中5校出場の公立校はすでに3校が敗れた。高橋瑠を含むチームの半数近くが「打倒私立で甲子園を目指せるから」と進学理由に挙げる。聖地出場は夢と消えたが、昨年逃した夏王者までは残り3勝。「次も良いところで打ちたい」と高橋瑠。栄冠をつかむまで、快音を響かせ続ける。【浅水友輝】

▽地区から3戦連続で完投勝利の札幌国際情報エース右腕原田 1球1球丁寧に投げられた。要所で1失点ずつで抑えられたのは良かった。楽な試合は1つもないので、僕がゲームを作れるようにしていきたい。