昨夏南大会準優勝右腕、札幌国際情報の原田航介投手が進化した姿を見せた。昨夏も撃破した東海大札幌相手に8回12奪三振。失点は5回に被弾した1点のみ。4強をたぐり寄せた背番号1は「良い意味で力が入っていた。序盤はストレートが上ずっていたけど、指にかかっていたので変に気にせずに投げられた」と喜んだ。

敗北を成長につなげた。全道8強に終わった昨秋以降はメジャーで脚光を浴びる、スライダーとカットボールの間の変化球スラッターを動画で学んだ。コロナ禍で実戦は遠ざかったが、その間も自身の投球を磨き続けた。最大の理由は「あのままでは上のレベルに通用しない」。駒大苫小牧の北嶋洸太やプロ注目の苫小牧中央の根本悠楓(ともに3年)ら強豪私立校のエースをライバル視して、自らを奮い立たせた。

この日は、スラッターを学びながら磨きをかけてきた得意のスライダーに加え、動画を見る中で身に付けた新球種のカットボールを効果的に駆使。選手の特長などを見極めて球種を選び「今日は小さい変化のカットが良く、カウントを取った後にはスライダーで空振りを取った」。リベンジを期す相手をはね返し、昨年果たせなかった南王座まであと2勝。「僕のでき次第でゲームが変わる。変わらずに自分の投球をしたい」。成長した姿を円山で見せる。【浅水友輝】

▽昨年の南北海道大会に続き道大会4強に進んだ札幌国際情報・有倉雅史監督(53) (原田の投球について)どういう状況でも最低限の投球ができるので、計算ができる。

▽1回に二塁打で出塁し、先制のホームを踏んだ国際情報・久保田 1回戦で全然打てず、学校に帰ってからたくさんスイングした。集中して打席に入った。

▽1回に先制打を放った札幌国際情報・秋田 甲子園がなくなり、最後に3人(中学時代からチームメートの原田、久保田)で(お立ち台に)上がることができてほっとしている。