日大三島が6-0で富士高に快勝し、今春の永田裕治監督(56)就任後、県内公式戦初勝利を飾った。

先発の松永陽登(はると)投手(1年)が、9回3安打完封。打線も10安打を放つなど、投打がかみ合った。この結果に、昨年までU18高校日本代表の指揮官も務めた名将は「試合前は不安でしたが、選手たちがよう頑張ってくれました」と安堵(あんど)した様子を見せた。

新チームは発足後、10戦以上の練習試合を行うも、わずか2勝で秋季大会を迎えた。当初は勝利への意欲が薄く、永田監督もあきれていた。斎藤琉仁(りゅうじ)主将(2年)は「監督から『元気がなく、野球の技術以前の問題だ』と言われました」と明かした。

だが、結果が出ない中でも声を出し続ける指揮官の姿に「気持ちが奮い立った。自分たちのほうが若いので、もっと元気を出さないといけないと感じました」。以来、チームに活気が生まれ、夏休みに入って練習時間も増加。1日約10時間の猛練習で、精神的なタフさも身につけた。

16日の2回戦・富士東戦に勝てば、3年ぶりに秋の県大会切符をつかむ。それでも永田監督は「まだ、このチームに力はない。もっともまれて、勉強しないと」と、気を引き締めていた。【河合萌彦】