仙台育英(宮城)は14日、倉敷商(岡山)と対戦する15日の甲子園交流試合に備え、大阪入りした。午前中には多賀城市の同校グラウンドで打撃練習など、軽めのメニューで最終調整後に移動。

先発登板が濃厚なエース左腕・向坂優太郎(3年)は「どういうピッチングをしたいかのイメージはもう出来ている。高校生活最後の1試合。勝ち負けも大事ですが、一緒にプレーする後輩やテレビで見ることになってしまった後輩たちに何かを伝えられればいい」。「熱夏伝承」と掲げたテーマ通りに、甲子園でも背番号1の責任を果たす。

今春のセンバツ、夏の甲子園中止で、日本一の目標が大きく変化した。宮城県独自大会は3年生40人(うち学生コーチ、マネジャー各1人)全員が試合に“出場”して優勝。だが、2年生含めたベストメンバーで臨んだ東北大会決勝は向坂の登板なく、聖光学院(福島)に0-8と完敗した。

向坂は「東北大会は2年生を3年生がカバー出来ない部分が大きかった。倉敷商は攻撃にしっかり決まり事があるイメージ。走者を出すと面倒なので先頭を抑えられるかが大事。後ろに特徴のある投手がいるが、自分は投げきれるところまでいきたい」。最後の舞台はセンバツ前の競争を勝ち抜いた18人に、選手投票で決めた2人を加えた20人で戦う。最速143キロの直球とキレ味鋭いスライダーを武器に、仲間を代表してマウンドに立つ。【鎌田直秀】