甲子園交流試合に出場する帯広農(北北海道)が15日、16日の高崎健康福祉大高崎(群馬)戦に向け、関西入りした。主将の井村塁投手(3年)は「このメンバーで戦えるのは、これで最後。チーム全員で戦ってきたい」と意気込んだ。

1月のセンバツ21世紀枠選出から約7カ月、ようやく聖地に立つ。センバツのために新調した新ユニホームも、初めて全国舞台で披露する。前田康晴監督(44)は「半年近く、いろいろ準備をし、いよいよ始まるんだなという気持ち。ドキドキより楽しみが上回っている」と心境を口にした。

夏季北海道大会の北北海道大会は、初戦で旭川龍谷に逆転負け。序盤に5点リードも、2番手の相手左腕、長谷隼兵投手(3年)を攻めあぐねた。高崎健康福祉大高崎エースも、同じ左腕で最速143キロの下慎之介(3年)。北大会後は、打撃マシンを打者から見てやや右にずらし、角度のついたボールを打ち込むなどして左投手対策に費やした。井村は「あとは甘い球を1球で仕留める集中力を持って臨みたい」と話した。

1戦限定の特別な夏。移動中の機内アナウンスでは機長から「コロナウイルスの影響で違った形での大会となりましたが、甲子園での活躍を心より応援しています」と激励された。井村は「やってきたことをすべて出せるように。暑さも気持ちで乗り越えたい」。待ち望んでいた聖地で、ベストを尽くす。【永野高輔】