大阪桐蔭と東海大相模(神奈川)の吹奏楽部が、リモートで聖地に美しい音色を届けた。それぞれの学校からリモート応援合戦を行い、その様子がネットで中継された。両校は元々親交があり、組み合わせ抽選で対戦が決まった後に、東海大相模の矢島周司顧問が大阪桐蔭の梅田隆司監督に提案し、競演が実現した。大阪桐蔭は同校の体育館で一定の距離を保ちながら、吹奏楽部とチアリーダーが選手たちを応援した。

大阪桐蔭の吹奏楽部は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、予定されていた20公演以上が中止に。6月中旬から部活動を再開したが、練習は3グループに分かれて行ってきた。この日に向けて1度、体育館で全体練習を行ったものの、本番仕様で演奏するのはこの日が初めてだった。

甲子園では毎回、流行曲を取り入れた新曲を用意し、今回のリモート応援合戦でも新曲5曲を演奏した。アニメ「鬼滅の刃」の主題歌、LiSAの「紅蓮華」やYOASOBIの「夜に駆ける」、NiziUの「Make you happy」といった人気曲を、息の合った音色で響かせた。

試合後には、梅田監督のもとに、大阪桐蔭・西谷浩一監督(50)から「応援ありがとうございました」と連絡が届いたという。「甲子園とは温度差がありますからね…。何らかの形で届けられたのは良かったですけど、来年はもうこんな形ではやりたくない。来年は甲子園でやりたいです」と梅田監督。いつものように、聖地で直接選手たちを応援する日を待ち望んだ。