第73回秋季全道高校野球室蘭地区予選の組み合わせが4日、決まった。鵡川は12日の開幕戦で登別青嶺と対戦する。来年3月に退任するOBで02年センバツ出場時のエース鬼海将一監督(36)との最後の秋に挑む。山崎航生主将(2年)は「有終の美を飾らせてあげたい」と、1戦必勝で目標の「秋全道制覇」につなげる。
18年9月6日の北海道胆振東部地震から2年。1、2年生29人は震災後の19年以降に入学し、仮設寮で高校生活が始まった世代だ。岩見沢出身の山崎は「(中学時代に)ボランティア活動をしているのを見ていた。地域のため、人のために尽くすチームで野球がやりたい」と入学。むかわ町出身は2年生2人のみだが、昨秋も農家の手伝いなど社会貢献活動を行い「地域の人がいてこそ自分たちがあると思っている」。鬼海監督も「不自由さとか苦しさの中で得たものがある。失ったものばかりではない」と常に口にしてきた。
学校の試験が終わり、4日から練習を再開。12月に町営の新野球部寮が完成予定のため仮設寮で迎える最後の大会となる。夏季南北海道大会初戦で立命館慶祥に敗戦後、新チームは目指すべき野球を選手間で話し合い、新スローガン「一枚岩」と野球スタイル「スクラムベースボール」を決めた。山崎は「突出した選手がいなくても、束になれば私立などの強豪も倒せる」。甲子園は02、04、09年のセンバツで3度出場。同校で初めて聖地の土を踏んだ鬼海監督と思い出の詰まった仮設寮から最後の戦いに挑む。【浅水友輝】
<地震後の鵡川野球部の歩み>
▼18年9月6日 選手寮で被災。部員は一時帰省
▼同12日 練習再開
▼同14日 秋季全道室蘭地区予選初戦で苫小牧工に敗れる
▼同15日 避難場所の生涯学習センター報徳館で清掃ボランティア
▼10月5日 選手寮の基礎部分の損壊が確認
▼11月16日 報徳館への避難完了
▼19年1月15日 仮設寮での生活開始
▼5月11日 春季全道室蘭地区予選初戦で伊達緑丘を下し震災後初勝利
▼6月29日 南北海道大会室蘭地区代表決定戦で室蘭栄を下し、震災後初の道大会出場決定
▼7月15日 道大会初戦で東海大札幌に敗れる
▼20年8月5日 夏季北海道大会初戦で立命館慶祥に敗れる
▼12月 新設寮に転居予定

