札幌地区で、昨秋全道準優勝の札幌日大が札幌藻岩に11-4で逆転勝ちし、代表決定戦進出を決めた。

今秋、新チーム主将は適性診断によって決定。主将の座を射止めた「最もリーダーの資質がある男」1番田中銀河遊撃手(2年)が束ねるチームが、14安打11得点で打ち勝った。

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総裁選で新たなリーダーが決まった日、札幌日大のリーダーも奮闘した。主将の田中は遊撃手として安定した守備を見せると、打席では必死に食らい付き勝利の原動力となった。5回の3打席目から4打席2安打2四死球で連続出塁。4打席目の6回2死二塁では中前適時打で1打点も挙げた。チームは初回に先制されるも、終わってみれば14安打11得点で大勝。主将の座を射止めチームを牽引する田中は「自分たちの力を信じていたので、いけると思っていた」と胸を張った。

新チーム始動に向け、森本卓朗監督(39)に自ら主将に立候補した。別の選手も候補に考えていた指揮官も「本人の強い意志があった」と思いを受け止め、田中を含めた3選手で企業も取り入れる適性診断テストを実施した。設問に対し4つの行動パターンが選択肢にあり、その優先順位を決めるテストで「リーダーとして人を引っ張るコミュニケーション能力などを診断する」(同監督)。最もリーダー適性のあった田中が見事、選出された。

小、中学でも主将を務めてきた。責任感は人一倍強い。1年秋から背番号6を背負い、あと1勝で全道制覇だった昨秋の全道決勝も先発出場していた。グラウンドで悔しい思いをした分「自分が主将になって日本一に導きたいと思った」。私生活から手本となることを意識するため、授業中は話をよく聞き、積極的に挙手して教師へ質問をぶつける。そのためにも学業も手抜きしない。「長期的目標は日本一。短期的目標はこの秋、全道優勝することです」と、公約をきっぱりと掲げた。【保坂果那】