春季埼玉県大会地区予選の抽選会を5日に控え、西武台が大会前最後の練習試合を行った。

つなぎの打撃で少ないチャンスをものにし、4安打で3得点。堅実な守備で確実にアウトを重ね、流れを渡さなかった。武井大智主将(3年)は「大会前の試合でしっかり勝ちきることができて自信になりました」と笑顔をみせた。

悔しさを糧に飛躍する。19年秋の埼玉大会で準優勝し、関東大会出場。8強入りを果たしたが、惜しくも32年ぶりのセンバツ出場は逃した。「夏はこのチームで甲子園を狙う」と意気込んだが、コロナ禍で夏の甲子園は中止に。主力選手が引退した昨秋は、地区大会初戦敗退という悔しさを味わった。河野創太監督は「1年生バッテリーで挑んだが経験不足。緊張して自分たちの野球ができなかった」と振り返った。

地道な練習が選手たちを成長させた。この冬は「1つでもいいから積み重ねていこう」を合言葉に練習を重ねた。打ち勝つチームを目指し、強いインパクトを意識。1日1000スイングを目標に振り込んだ。エースの渡辺もブルペンで常に打者を想定して投げ込み。カーブのキレを磨き、緩急をつけた投球を身につけた。河野監督は「ある程度試合になってきました」と、ひと冬越えた選手たちの成長を評価した。

目標は春の関東大会出場。武井は「まずはそこを目指し、最終的には夏の甲子園に出場して全員で校歌を歌うことです」と気持ちを込めた。悲願の甲子園出場へ。まずは春の県大会で結果を残し、弾みをつける。【保坂淑子】