今春のセンバツで優勝し、県大会初戦は延長戦で辛勝した東海大相模が、一夜明け迎えた4回戦で三浦学苑に9安打10得点の5回コールドで圧勝した。

夏へ向かう王者は、新戦力の台頭で強さを増している。初回、2点を返し、なおも1死満塁で背番号17の黒沢学励(まなぶ)外野手(3年)が「狙っていた」という高めのスライダーを捉え、左越えの満塁弾。「レフトを越えたと思った」と全力疾走し、二塁を回ったところで審判に「入ったよ」と声をかけられガッツポーズを見せた。高校通算6号で公式戦初本塁打が満塁弾。「みんながホームで笑顔で待っていてくれて、チョーうれしいなぁと思いました」と満面の笑みを浮かべた。

悔しさを春季県大会にぶつけた。センバツでは2回戦の鳥取城北戦で代打出場したのみ。「優勝はうれしかったけど、悔しい気持ちが強かった。春はやるぞ、という思いで練習してきた」と、気持ちを新たに臨んだ。どんな球でも1球で仕留めるために、同学年の中でも巧打の門馬功外野手(3年)、柴田疾内野手(3年)に教えを受けた。「打撃は形が崩れてもヒットになればいいんだよ」。2人のアドバイスを胸に、ミートポイントより前で払うように打つ練習も取り入れ、どんな球でも食らい付き打撃を磨いた。黒沢は「今日は打てたけど、自分はホームランバッターではない。センターから右中間に低い打球を打つ。1点1点返していけるように、自分の打撃をしていきたい」と気持ちを引き締めた。

投手陣も新戦力がアピールした。センバツで登板機会のなかった武井京太郎投手(2年)が先発し、4回を1安打無失点に抑える好投。「センバツは悔しかった。今日は自分がチームのために貢献しようと思った」と熱い思いを投球に込めた。

門馬敬治監督(51)は「2試合が終わり、公式戦初めての投手も経験できた。これを第1歩にしっかりと成長して欲しい。新しいチームで春、夏と乗り切りたい」と期待。選手層の厚さで、神奈川大会を勝ち進む東海大相模。王者に死角はない。