春夏合わせて52回の甲子園出場を誇る古豪は、37度目の夏を目指す。松商学園主将の藤石烈翔(れんと)捕手(3年)は取材時の受け答えもはきはきとし、滑らかだった。「どこと当たっても、松商学園の野球をすることが大事です」と、第1シードに入った優勝候補らしく堂々としていた。

今年のチームの特徴を聞かれると即座に「打力のチームだと思います」と答えた。その中で、熊谷大生内野手(3年)と今井英寿投手(3年)の名前をキーマンとして挙げた。「打ってかえすこともそうですし、走塁も含めた総合的な得点力アップを目指しています」。

決勝で岡谷南を破り、春季県大会を制覇。しかし、北信越大会の敦賀気比(福井)との準決勝では、2点リードしながら9回裏に逆転サヨナラ負けを喫した。「途中で追加点が取れるところで取れず、最後は守備のミスが出ました。この敗戦から学びたいです」。悔しさを糧に、夏も頂点を目指す。

藤石主将は、OBを含め多くの人からの期待を感じるという。「今は感染症対策で制限がありますが、それまでは練習試合にも多くの方が来られて、気にしてもらっています」。順当なら準々決勝でセンバツ出場の上田西と対戦する。【井上真】