昌平(埼玉)が、都内で世田谷学園(西東京)と2試合の練習試合を行い、どちらも勝利した。

今秋ドラフト候補のスラッガー吉野創士外野手(3年)は「3番・中堅手」で出場し、合計8打数4安打と存在感を発揮した。

1試合目は、エースの田村廉投手(3年)が被安打5の1失点で完投。3-1で接戦を制した。

2試合目は、4番の古賀智己外野手(3年)が本塁打を放つなど打線がつながり、8-1で勝利した。

黒坂洋介監督(46)は「バッテリー中心の守りの野球で、なるべく失点を少なくしたい。投手には、今日のような、安定したピッチングをしてほしい」と話した。

夏の本番に向けて、打線の調子は上向きだ。吉野が数字にこだわってきた高校通算は55本塁打まで到達。今春県大会準決勝浦和学院戦で通算48号となる先制2ランを放ったが、その後の練習試合でもアーチを重ねた。「6月に入ってからホームラン5本打っていて、状態は上向きです。自分のタイミングをしっかり取って、打てています」と明るい表情。この日は犠打もしっかり決め、役割を果たした。

吉野のうしろ、4番に座る古賀も長打力が持ち味だ。2試合目は、1-0で迎えた4回の第2打席に、高校通算11号となる右越えソロを放った。「(吉野)創士は注目されていて、勝負を避けられるかもしれないので、前後にいる打者が大事だと思う。つなぐ意識です」と話した。

昨秋の県大会で初優勝を飾り、今春の県大会は準決勝で浦和学院にサヨナラ負けを喫したものの4強入りと、チームとしては手応え十分だった。7月12日の県大会初戦、飯能南戦(レジスタ大宮)に向け、古賀は「本番に強いチームになっていると思う。(個人では)状態がいいと思うので、公式戦でもホームランを打ちたい」と意気込んでいた。

◆吉野創士(よしの・そうし)2003年(平15)10月27日生まれ、千葉県浦安市出身。東京城南ボーイズから昌平入り。走攻守すべてが一級品で、長打力が持ち味。目標は楽天浅村。50メートル6秒3、遠投は110メートル。185センチ、80キロ。ベンチプレスは95キロ。右投げ右打ち。