専大松戸が延長11回に及ぶ接戦を制し、準決勝進出を決めた。

延長11回裏、1点勝ち越した直後の守り。先発の岡本陸投手(3年)は、打者2人を二ゴロに打ちとり、あとアウト1つに追い込むと、大きく深呼吸して2回ジャンプした。「ここで負けるわけにはいかない」。得意の真っすぐを投げ込み右飛に仕留めると、マウンド上で雄たけびを上げ、ガッツポーズを作った。

延長に入っても、岡本に焦りはなかった。「春の関東大会、桐光学園戦で延長戦を投げきった経験が生きました」。準決勝の同戦に先発。延長10回を投げ抜き、3-2でサヨナラ勝利した。「今日も延長に入っても、加藤(捕手)と話し合い、相手の弱みを冷静に分析できました」。8、9回で握力が弱くなり、ボールが抜け始めた。延長戦は真っすぐで勝負しようと決め、10、11回を打者6人でピシャリと締めた。10安打15奪三振の1失点で、延長11回を投げきった。

心は熱く、頭は冷静に-。「僕、絶叫とかする性格じゃないんですけどね(笑い)。でも、チームの勝利がかかっている。勢いをつけるためにも、自分がそういう姿勢を見せてもいいかな、と。勢いがつくでしょう」と、ニヤリと笑った。

前日はエースの深沢鳳介投手(3年)が好投。「もう1度、深沢に投げさせたい。今日は倒れてもいいと思って投げました」と熱く語る。頂点まであと2つ。専大松戸は力強く突き進む。【保坂淑子】