南北海道で、7年ぶりの甲子園を狙う東海大札幌が、小樽双葉を7-0の8回コールドで下し、2大会連続の準々決勝進出を決めた。最速146キロの2年生左腕、門別啓人が7回を散発3安打無失点、毎回の12三振を奪う力投で勝利に貢献した。

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東海大札幌が日高町生まれの背番号1、門別の快投で初戦を突破した。右打者の内角へのクロスファイアに、切れのあるスライダーを低めに集め7回まで毎回の12三振。初めて臨む南大会で力を発揮し「直球とスライダーが良かった。しっかり腕を振ろうと意識して投げることができた」。今夏は地区予選から3戦15イニング連続の計29三振。チームを8強に導いた。

今春は全道準々決勝で札幌静修に敗れた。その試合はバッテリーを組む同学年の捕手、唐川が先発完投し1-2の9回サヨナラ負け。門別は「あの後、2人で話した。自分が投げたとしたらどうだったのか。特に追い込んだ後のコントロールが良くなかったということになった。課題を共有することで、どちらが投げても反省を生かせる」。仲間の投球も自分のことに置き換え見つめなおし、成長につなげてきた。

尊敬する先輩の思いを背負いマウンドに立つ。本来背番号1番をつけるはずだった金村翔弥投手(3年)が3月に右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン)を受け離脱。大脇英徳監督(46)は最後の夏に記録員でのベンチ入りを勧めたが「自分は選手なので」と固辞しスタンド応援を続ける。門別は「試合前に金村先輩から『お前が投げて負けたら仕方ない。思い切っていけ』と激励されて勇気が出た」と感謝した。

春は15年センバツ準優勝も、夏は14年を最後に甲子園切符を逃している。東海大四から校名変更後、初の聖地へ「3年生最後の夏。自分で終わらせてはいけない」。1番を受け継いだ左腕が道を切り開く。【永野高輔】

▽小樽双葉に勝利した東海大札幌・大脇英徳監督(46) (相手の長谷川監督は教え子で)特別な思いで試合をしました。

▽先制打を含む2安打2打点の東海大札幌・佐々木 狙っていた球をしっかりと打つことができた。