今春センバツ優勝の東海大相模(神奈川)が24日、登録メンバー17人が新型コロナウイルス陽性判定を受けたことにより、開催中の神奈川大会への出場を辞退した。

この日、行う予定だった準々決勝は藤沢翔陵の不戦勝となった。史上8校目の春夏甲子園連覇を目指していた名門の夏は、思わぬ形でついえることとなった。日本高野連は同日、八田英二会長名の文書で、都道府県高野連に感染防止対策の徹底を要請した。

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名将の最後の夏が、思わぬ形で幕を閉じた。この日の午前7時ごろ、東海大相模の学校長が神奈川県高野連に大会出場辞退を申し入れ、受理された。健康上の理由で今夏限りでの退任を表明していた門馬敬治監督(51)は学校を通じ「本校野球部で新型コロナウイルス感染による多数の陽性者を発生させてしまいましたこと、深くおわび申し上げます」とコメントした。

同校によると21日夜、寮生の部員1人が体調不良を訴え病院で熱中症と診断された。その日のうちに実家へ戻り、翌22日午後4時ごろ、地元病院のPCR検査で陽性が判明した。同日に5回戦を終えていたチームはこれを受け、23日午後に寮生、指導者がPCR検査を受診。同日午後9時ごろに大会メンバー17人を含む部員20人と、指導者1人の陽性が判明。計22人の感染者が出る状況に出場辞退を決めたという。

全国屈指の強豪となる同校は今春、プロ注目左腕の石田隼都投手(3年)を擁して10年ぶりにセンバツを制覇。第1シードで臨んだ今夏も地力を見せつけ、県内公式戦45連勝中。7季連続の県制覇へ順調に駒を進めていた。この日勝てば、永遠のライバル横浜と準決勝で激突するはずだったが、無念の辞退となった。

門馬監督は陰性で、相模原市保健所との窓口となり対応の指揮を執っている。「さらなる感染拡大を防ぐことに全力を注いでおります。生徒の心中を察していただき、ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」と最後まで生徒を気遣う言葉を残した。

◆主なコロナ辞退校 センバツ王者の東海大相模だけでなく、この夏は有力校のコロナによる辞退が相次いでいる。21日には星稜(石川)が準々決勝の遊学館戦を前に6人の陽性が判明し辞退。13日には夏の甲子園11回出場の中越(新潟)、10日には同22回出場の福井商が辞退した。また米子松蔭(鳥取)を巡っては出場辞退が取り消され、境との試合が予定日時を変更して行われるなどした。他にも板橋(東東京)海部(徳島)城郷、藤沢工科(ともに神奈川)などが辞退している。

▽東大阪大柏原・土井健大監督 寮生は基本的に外出禁止。登録メンバーとメンバー外の練習は極力、分散して行っています。