伝統校の静岡高が、第5シードの磐田東に7回コールドで快勝した。エース右腕の高須大雅投手(3年)が、今大会3度目の完封勝利を挙げ、中止となった昨年を挟み、2大会連続の決勝へ駒を進めた。

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第4シード校の“ミスターゼロ”高須が、マウンドに君臨した。今大会4度目の先発登板で、散発4安打7奪三振完封。準々決勝で県3冠を狙った藤枝明誠を破り、勢いに乗る磐田東を寄せ付けなかった。「ストライク先行で投げられた。真っすぐの調子がよかった」とうなずいた。今大会28イニングを投げて、いまだ無失点。複数のプロ球団から熱視線を浴びる長身右腕が、期待にたがわぬ投球を続けている。

リードする川端慶(3年)との息もぴったりだった。積極的な打撃をする相手に対して、試合前にバッテリーは「内角の直球を生かしていこう」と、配球をイメージ。狙い通りに打者の打ち気を誘って球数を抑え、7回を85球でまとめた。池田新之介監督(44)は「川端が細かく打者を観察している。応えた高須もナイスピッチングだった」とたたえた。

暑さ対策も実った。今春は県大会準決勝で掛川西に4-5で逆転負け。高須は「スタミナに課題を残した」。春以降は猛暑の中で戦う夏の大会に向けて、冬場の防寒着「ウインドブレーカー」を着込んで練習をこなし、スタミナ強化に努めてきた。「最初は暑くてたまらなかったが、もう慣れた。成長を感じている」と実感を込めた。

2年ぶり26度目の優勝まで残り1勝となった。「決勝は通過点。甲子園に行くため、普段通りの投球を心掛けたい」。名門校のエースナンバーを背負う男が、闘志を燃やした。【古地真隆】