名門・静岡高を引っ張ってきた金子裕人主将(3年)が、聖地へ向けて決意を新たにした。この日は、1回にチーム初安打を放つと、その後に先制の生還を果たし、チームに勢いを与えた。今大会は6試合中4試合でコールド勝ちし、決勝でも終始主導権をにぎったまま優勝。「苦しい展開の試合はなかったが、これまで苦しい思いをして練習をやってきたので、その成果が出てよかった」と白い歯を見せた。

24日の準々決勝では、第1試合で磐田東に敗れた藤枝明誠の川瀬譲二主将(3年)から「自分たちの代わりに甲子園へ行ってほしい」と、打撃用の手袋を渡された。それを身につけて臨んだ第2試合の富士市立戦では、1回に先制適時打。昨秋、今春と県大会を連覇した有力校から託された思いを、結果に結びつけた。

その後の試合でも同じものを使用。「打席に入るたびに、手袋に刺しゅうされた『主将力』と『俺が導く』の言葉が目に入る。自分も同じ気持ちを持っているので、力になった」と振り返った。

表彰式では、優勝旗を手にし「負けていった選手たちの思いが詰まっていて、重く感じました」と表情を引き締める。県の代表として臨む甲子園へ「総合力で戦い、勝ち進んでいきたい」と力を込めた。