初舞台となる東京ドームでの準決勝を前に、二松学舎大付(東東京)が甲子園どりの態勢を整えた。今大会4試合目にして初の2ケタ安打、2ケタ得点とする13安打10得点。7回コールドで4強入りを決めた。

「今までガチガチだったが、力が抜けてきた。次戦以降につながります」。市原勝人監督(56)が攻撃陣を評価した。ドラフト候補の秋山正雲投手(3年)を擁する第2シード校も、打線にはいまひとつ勢いがなかった。同監督は淑徳戦を前に「打ちに行かない、打てるボールを待つ」と相手左腕の攻略法を伝えた。「最初はモタモタしましたが、結果が出て、力が抜けてきました」。

秋山はこの日、7回1イニングだけ登板した。先頭四球のあと速球勝負で3者三振で仕留めた。自ら志願した登板。計21球を投げなければ、中5日で東京ドームの準決勝になるはずだった。これで通算3試合18イニングを投げ無失点。26三振を奪っている。

巨人で活躍するOB大江の存在があり「大江2世」とも呼ばれる。準決勝ではその先輩と同じマウンドを踏む。市原監督は「大江がマウンドは硬いといっていましたね」。恩師にこんな情報も入っている。秋山は「ドームは初めてです。神宮の硬さは気にならなかった。チームにリズムをつくれる投球をしたい」。初舞台は気にせず、あと2勝とした甲子園切符をとりにいく。【米谷輝昭】