異例の「泥試合」は、大阪桐蔭が8回途中降雨コールド勝ちした。7-4と大阪桐蔭がリードして迎えた8回表1死一、二塁、東海大菅生が攻撃中の午前10時6分、一時中断。そのまま再開することなく、審判が試合終了を告げた。7回は終了しており、試合の成立条件はクリアしていた。

5回から強い雨が降り始めて、4点リードの7回に雨脚が強くなった。大阪桐蔭の松浦慶斗投手(3年)は試練を迎えた。球を制御できず、上ずる。四球も絡んで3安打を集中されて3点を失い、1点差に詰め寄られた。マウンド周辺は水が浮く状態。なおも2死二、三塁の窮地で相手の4番小池祐吏内野手(2年)を空振り三振に仕留めた。

序盤は大阪桐蔭がド迫力の猛攻でセンバツ8強の東海大菅生(西東京)を圧倒した。1回2死二塁。4番の花田旭外野手(3年)が低めスライダーを強振し、バックスクリーンに甲子園初本塁打の先制2ランを放った。1点差に迫られた3回、先頭の藤原夏暉内野手(3年)が左翼ポール際にライナーでソロ本塁打を架け、前田健伸内野手(3年)もバックスクリーン右に豪快弾だ。3月のセンバツでは智弁学園(奈良)に屈辱の初戦敗退。悪夢を消し去る、鮮やかな攻撃だった。5回には主将の池田陵真外野手(3年)が左翼フェンス直撃の適時二塁打で加点。1点差に迫られた7回には2点を挙げ。再びリードを広げた。

内野全面が水浸しの中での激闘は、最後は大阪桐蔭が粘りと底力を発揮した。

また、第2試合以降の3試合は中止順延となった。

◆高校野球の試合成立 高校野球では正式試合となる回数を7回としている。サスペンデッドゲームは適用しない。

◆夏の大会のコールドゲーム 98年1回戦の如水館-専大北上が7回裏2死、6-6の同点のまま降雨コールドの引き分け再試合となって以来23年ぶり。コールドで決着したのは、93年2回戦の鹿児島商工3-0堀越(8回表無死一塁)以来。