福岡王者の九州国際大付が大島(鹿児島1位)に快勝し、秋初優勝を飾った。1年生で6番セカンドの白井賢太郎内野手の高校初満塁本塁打など、猛打さく裂で15安打12得点と圧倒。4試合連続の2桁安打&3試合連続満塁本塁打攻勢で格の違いを見せつけた。初の明治神宮大会は、20日にクラーク(北海道)と対戦する。

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九州国際大付が3戦連続満塁弾を含む15安打12得点で快勝し初優勝を飾った。

打線に勢いのあるチームにあって、また1年生ヒーローが出現だ。1-0の2回。4点を奪ってなお2死満塁で、6番・白井が直球を捉え高校初の左越えグランドスラム。打者12人の猛攻で一気に8点を奪い、早々に勝負を決めた。

4試合で6本塁打を含む50安打、43得点。今春センバツ準優勝の明豊を5回コールドで下すなど、すさまじい強打を見せつけた。

初の明治神宮切符も手にし、白井は「投手レベルも上がるのでしっかり対応できる準備をして優勝を目指したい」。1年生4番の佐倉■史朗内野手も「フルスイングで戦い優勝を狙う」と意気込んだ。

打撃強化の成果だ。引退した制球力抜群の最速137キロの左サイドスロー内山将、最速146キロの前エース右腕、山本大揮(ともに3年)がほぼ毎日打撃投手を務め、元プロの楠城徹監督(70)が「こんな贅沢はないよ」いう練習で打力向上。4番の佐倉でさえ「みんな打ち過ぎる」と驚く打線に育った。元4番の黒田義信外野手(2年)が1番、プロ注目で強肩強打の野田海人捕手(2年)が5番を打つなど、どこからでも得点にからむ破壊力で全国に挑む。【菊川光一】

※■は人ベンに峡の旧字体のツクリ

◆白井賢太郎(しらい・けんたろう)2005年(平17)6月23日、長崎・佐世保市生まれ。野球は広田小1年から軟式のセインツジュニアで始める。広田中では硬式の西松ボーイズでプレー。高校では秋季福岡大会は1番セカンド、九州大会で6番。高校通算3本塁打。目標は広島鈴木誠也。50メートル走6秒3。遠投90メートル。171センチ、76キロ。右投げ右打ち。

 

大島のプロ注目で最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(2年)は球数制限の影響で登板せず、大敗を喫した。引き分け再試合を含め1回戦から3完投で467球を投げ、1週間500球以内の球数制限の影響で準決勝、決勝は先発を回避。初優勝は逃したが、出場確実な今春センバツへ「体づくりを徹底し、球数少なく相手を打たせて取れるよう練習して行きたい」と前を向いた。