規格外の1年生スラッガー、花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手(1年)が豪快な全国デビュー弾を放った。高校通算48号のソロを含む3打点の活躍。チームの逆転勝ちに貢献した。

1回2死走者なしで迎えた第1打席。カウント1-0から、外寄り132キロ直球をとらえた。「チームの勝利に貢献することを強く(考えて)打席に入りました」と身長184センチ、体重113キロの恵まれた体から放たれた打球は右翼席最前列で弾んだ。父である同校の佐々木洋監督(46)が見つめる前で、ファーストスイングで先制ソロ。ダイヤモンドを淡々と回り終えると、本塁で力強く手をたたき、次打者の田代旭捕手(2年)と左手でハイタッチ。ベンチのナインからもハイタッチで迎えられ、笑顔を見せた。

第2打席は1-2と1点を追う3回1死二、三塁の好機。カウント2-1から131キロ直球を振り切り、中堅への鋭い打球で、同点犠飛とした。

2-3で迎えた6回の第3打席は、先頭で警戒されストレートの四球。

第4打席は1点追う7回1死満塁。カウント1-2から低めのカーブをすくい上げ、再び中堅へ飛距離十分の同点犠飛を運んだ。花巻東打線は、ここから3連続適時打を集めてこの回4得点。試合をひっくり返した。

佐々木麟太郎は、明治神宮大会開幕試合の国学院久我山(東京)戦に「3番一塁」で先発。左すねを疲労骨折しているものの、強行出場し、花巻東OBのマリナーズ菊池、エンゼルス大谷も届かなかった明治神宮大会の舞台に立った。

10月の秋季東北大会では、この日と同じ「3番一塁」で全4試合に先発。初戦で高校通算47号を放つなど、打率3割8分5厘、1本塁打、4打点、5四死球と堂々の成績を収め、チームの初優勝、岩手県勢では1983年以来、38年ぶりとなる優勝に貢献している。

◆佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)アラカルト

▽生まれ 2005年(平17)4月18日生まれ、岩手県北上市出身

▽家族 両親と妹

▽野球歴 幼少時から野球を始め、小学1年冬に江釣子ジュニアスポーツ少年団に入団。江釣子中時代はエンゼルス大谷の父徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニアに所属し、19年の日本リトルシニア東日本選抜野球大会優勝。花巻東では1年春からベンチ入り

▽背番号 今春から今夏はマリナーズ菊池、大谷も背負った出世番号の「17」。今秋からは「3」

▽身長・体重 184センチ、113キロ

▽50メートル走 6秒9

▽投打 右投げ左打ち。

▽好きな選手 菊池、大谷、バリー・ボンズ。

▽尊敬する人物 金ケ崎リトルシニアの大谷徹監督。

▽趣味 食べること、睡眠、読書

▽大食漢 すしを50貫以上食べる大食漢で、中学時代は1度の食事で白米丼3杯とラーメン3人前を食べたり、5合の炊飯器を1人で空にしたこともある

▽好きなアーティスト ベリーグッドマン。幅広く曲は聴くが、特に感動するような曲調が好み。

▽好きな教科 社会(歴史系)