甲子園3度の優勝を誇る名門・広陵(広島)が初戦を突破し、06年以来15年ぶりに神宮で勝利をつかんだ。

中井哲之監督(59)の積極的な采配が随所に見られた。プロ注目右腕のエース・森山陽一朗投手(2年)は6回6安打3失点。走者を置く場面が多く「全然ダメだったので、思い切って岡山に投げさせました」と7回から2番手の岡山勇斗投手(1年)にスイッチ。3回無失点で流れを渡さなかった。

攻撃では1点を追う2回の先頭が出た直後。初球はバントの構えで見逃してストライク。2球目はバスターに転じた。結果は左飛だったが、強攻策に「このチームは何をしてくるかわからないというのを早めに感じてもらったら」と相手を惑わす采配を見せた。さらに「足を絡めてプレッシャーをかけながら攻撃できるなと思いましたので、思い切って足を使いました」と2つ盗塁を決めるなど仕掛けた。

チームは14安打を放ち、守備も無失策で準決勝進出。中井監督は「粘り強くチームが1つになって頑張ってくれたことが勝因。本来の森山のピッチングじゃなくてバタバタしたところもありましたし、守備の時間が長かったと思いますが、守るところをしっかり守ってくれた」と試合を振り返った。次戦に向けては「できることを精いっぱい出し切っていきたい」と意気込んだ。

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