仙台育英(宮城)の主将として今春センバツで選手宣誓を務めた島貫丞外野手(3年)が25日、日体大に合格したことが分かった。「中学生の時から指導者になりたかった。将来的には体育の教師になって、高校野球の監督になりたい」という夢を明かし、甲子園出場も大きな目標の1つにする。

教師を強く志す背景には同校野球部の須江航監督(38)の存在があった。系列の秀光中教校軟式野球部時代から、計5年間野球を学んだ。島貫は「須江先生に出会って野球を深く教えてもらった。今度は指導者の立場で勝ってみたいなと思うようになりました。仙台育英に戻りたい気持ちもあるけど、倒したいなとも思っています」と笑顔で「打倒・仙台育英?」を掲げた。

悔いなく高校野球をやり切った。2年秋から主将を任され、仲間から絶大な信頼を置かれ、強いリーダーシップを発揮してきた。今春センバツで選手宣誓をした経験は今後への大きな財産となった。「個人的な思い出として、甲子園で選手宣誓をしたことは自信にもなりましたし、忘れられないと思います」。日本一に挑んだ最後の夏は県大会4回戦で敗れた。それでも、島貫は胸を張って言う。

「県大会で負けたことがこれからの人生、大学生になった時に生かされると思います。最後の夏はベンチに入れそうにない3年生もチームのために尽くしてくれて、最後までみんなで競争して底上げすることができた。もちろん、負けたことは悔しかったですけど、3年間こういうチームになりたいなと思ってやってきたチームにはなれたので、悔いはなかった」

現在は木製バットを振り込み、次のステージでの準備を進めている。「自分からどんどん発信してアピールしていきたい。夏の甲子園出場メンバーもいるのでそこに埋もれていたらだめ。負けないようにしっかりやっていきたい」。強い決意を胸に教師の道をスタートさせる。【佐藤究】

◆島貫丞(しまぬき・じょう)2003年(平15)5月18日生まれ、福島市出身。5歳から野球を始め、中学では秀光中教校(宮城)軟式野球部に所属し、中3時に全国中学総体で準優勝。仙台育英では2年秋からベンチ入り。172センチ、74キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉。好きな選手はイチロー。