京都国際は投手力で日本一を狙う。今秋ドラフト候補の森下瑠大投手(2年)と辻井心捕手(2年)のバッテリーが生命線だ。昨年の司令塔で阪神ドラフト7位中川勇斗捕手(18)から継いだ知恵が支えになる。

森下には飛躍につながる1球がある。昨春センバツ東海大菅生(東京)戦は1点差に迫られた9回2死満塁。右打者の外角球で右翼線に逆転サヨナラ打を浴びた。中川は外に構え、森下もそこに投げた。勝ちまで「あと1球」を痛打された。

「ピンチになって打者は外角に張る。心理的に(満塁のピンチで)内角に投げて死球はダメだと打者は思っていて、外角に踏み込んでくる。逆を突いて内角を攻めないといけない」

敗戦後、2人で出した結論を森下が振り返る。「中川さんは投球に集中できる環境を作ってくれた」。窮地での内角攻め。実戦で何度も試し、モノにした。夏の甲子園4強につなげた。

正捕手になった辻井は昨秋京都大会中、森下をリードしたが、内角球を強打され、首をかしげた。小牧憲継監督(38)に言われた。「中川のマネをしなくていい。お前はお前のいいところを出せばいい」。これまでの配球は丸裸だった。辻井は「中川さんみたいになりたいと思っていた。自分のスタイルが大事」と自覚。先輩の助言も心にとどめる。

「捕手はあまり褒められるポジションではない。自分が結果を出しても常に冷静でいないといけない。舞い上がれば、チームもそういう空気になってしまう」

初戦は第2日の長崎日大戦。成長したバッテリーで頂を目指す。【酒井俊作】