春季静岡県大会ベスト8の浜松工が、浜松商を11-6で下した。3年ぶりに勝利を飾り、定期戦の通算成績を18勝14敗とした。

主将の3番・金子伸一捕手(3年)が、5打数4安打2打点で存在感を示した。初回の左前打から始まり、左前打、右越えの2点三塁打、左前打と4打席連続安打。最後は中飛に倒れたが、チーム最多安打の活躍だった。適時三塁打の場面について、「外側の直球に、バットが素直に出た。気持ち良かったです」と振り返った。

矢部真吾監督(34)に「今日のMVPは金子」と高く評価されたが、反省を忘れない。「最終打席は、簡単に凡退してしまった。個人としてもチームとしても、攻撃が雑になってしまった。夏に向けて、もう1度引き締めます」。両チーム合わせて29安打の乱戦を制したが、満足はしなかった。

浜松工は1997年大会を最後に、夏の甲子園出場がない。矢部監督の「チャンスに強く、ピンチに強く」の言葉を胸に、攻守の練習を積んできた。金子は「夏の県大会で優勝を狙います」。四半世紀崩せなかった壁を、今年こそ突き破る。