掛川西の主砲2人が、24年ぶり6度目の夏の甲子園出場に導く。

狩俣藍生(あい)外野手(3年)は高校通算31本塁打。内外角に柔軟に対応でき、両翼に打ち込む長打力が魅力だ。昨秋の県大会準々決勝・日大三島戦では3番に入り、単打3本を放ったが、9-10で敗れた。「冬はティー打撃などで、多い時は1日500スイングした」。悔しさをバネに練習してきた。「ここぞで力を発揮し、チームに貢献したい」。今春の西部地区予選はコロナ禍のため、出場を辞退したため、今夏にかける思いは強い。

主将の河原崎琉衣(りゅうい)捕手(3年)も同10本塁打のスラッガーだ。しかし飛球よりも、先頭打者として、内野手の間を抜く鋭い打球を心がけている。夏の県大会では「出塁率5割を目指す」と力を込めた。狩俣同様に、1日500スイングに達することも。さらに帰宅後、100~200回振ることがあるという。「自宅でストレッチをして、下半身やひじのケアを欠かさず行っています」。負傷の予防に努めている。

2人には、昨年春の東海大会優勝に貢献したOB沢山優介投手(18=ヤマハ)から、激励のメッセージが寄せられた。LINE(ライン)で狩俣は「頑張れ」、河原崎は「甲子園(出場)を決めてくれ」と送られ、「任せてください」と返した。聖地を踏めなかった先輩に、結果で恩返しする。【倉橋徹也】

◆掛川西 昨年春の東海大会優勝メンバー6人がレギュラーに残り、県外の強豪チームと戦った経験を生かす。投手陣は左腕・岩沢と、プロを目指す右腕・山本柊が軸になる。継投策をイメージする大石監督は「全体の投手力をもっと高めたい」と話し、強化を続けている。控え投手の杉山や黒羽については、「制球力や安定感が出てきた。力を伸ばしている」。内外野の守備は堅く、失点を最小限に抑える。