敦賀気比が甲子園通算30勝目を快勝で飾った。5日にかけて福井県を襲った豪雨で被害にあった地元に、節目の白星を届けた。

初回に会心の猛攻を見せた。1死後、敵失から5連打に押し出し四球で4点を先制。うち上加世田(うえかせだ)、高見沢、岡村、友田はいずれも戦前のプラン通りに逆方向に打ち返し、相手右腕を打ち崩した。甲子園通算20勝目をつかんだ東哲平監督(42)は「入りがすごくよかった。高岡商さんは粘り強い。(2回までの)5点で楽に試合を運べた」と選手を称賛した。

上加世田がつかまり5回途中3失点。反省材料も残ったが、救援した清野が9回2死まで無失点。終わって見れば16安打13得点のワンサイドだった。

東監督は「僕の知り合いも被害にあわれた方がたくさんいる。大阪に来ている間に大変なことになった。敦賀気比の野球を見て、少しでも元気になってくれたらありがたい」と神妙に話す。選手の間でも話題になっており、春山主将は「心配で、無事であってほしい気持ちでいっぱいでした。テレビで応援しているからとも言われていた。気持ちを裏切りたくなかった」。朗報を何度も甲子園から届けるつもりだ。【柏原誠】

▽敦賀気比・清野仁楽(とら)投手(3年=5回途中から救援し、4回1/3を無失点)「上加世田を絶対に助けてやるという気持ちでマウンドに上がった。1人1人、きっちり抑えたら無失点につながった」

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