社が夏の甲子園初出場で初勝利を挙げた。

初回、四球や相手のミスで1死三塁のチャンスをつくると、3番・福谷宇楽(うた)内野手(3年)が右前に運ぶ先制の適時打を放った。

相手のミスを突く攻撃で5回までに11安打9得点を奪い、前半で試合を決定づけた。

投げては兵庫大会5試合に登板の堀田柊投手(3年)が6回まで三塁を踏ませない安定した投球を見せた。

投打に危なげない試合展開で勝利を飾った。

同校は2004年のセンバツ出場以来、春夏通じて2度目の甲子園。前回出場時は4強入りを果たしている。近くて遠かった18年ぶりの聖地で、まずは初戦をものにした。

コロナの集団感染で登録選手18人中、10人を入れ替えて臨んだ県岐阜商は、一丸で戦ったが及ばず。初戦で姿を消した。

同校は3日深夜に複数の体調不良者が発生。4日の開会式リハーサルを欠席したが、メンバーなど7人の感染が判明し、6日の開会式も欠席した。感染者は増えたが、岐阜から下級生を中心に14人を招集。7日からシート打撃などの練習を再開していた。一部改定した感染拡大予防ガイドラインに基づき、登録選手18人のうち10人を入れ替え、PCR検査の全員陰性確認をへて出場が可能になっていた。

 

<県岐阜商のコロナ経過>

◆8月3日 抽選会に主将の伊藤颯希外野手(3年)が出席。「去年の分まで勝ち上がって全国優勝を狙えるように」と意気込んだ。

◆同4日 複数選手の体調不良者が出たため、5日の開会式リハーサルを欠席すると、大会本部が発表。

◆同5日 新型コロナ集団感染と判断。鍛治舎巧監督(71)は「ここでこういうことになるのが信じられない。非常に残念」と話した。発熱や喉の痛みを訴える選手が出ているといい、「すいませんでした、とおえつする選手ばかり。君のせいではないと伝えた」。

◆同6日 大会本部が新型コロナ感染拡大予防ガイドラインを一部改定。これまで集団感染の場合、日程変更で対応する規定だったが、新たに試合前の72時間以内に陰性と確認された部員なら誰でも、入れ替えによって出場可能になる措置を導入。鍛治舎監督はオンライン取材で「ウチから(感染者を)出してしまったが異例の対応をしていただいた。感謝申し上げたい」。

◆同7日 兵庫・西宮市内で練習を再開。約20人の選手が参加し、シート打撃で試合勘をチェックした。

◆同8日 予定通り9日第4試合で社と対戦すると、大会本部が発表。登録選手18人のうち10人を入れ替えた。