宮城大会は東北が夏の甲子園優勝の仙台育英に競り勝ち、12年ぶりに優勝を果たした。

日隈翔弥捕手(2年)が3投手を好リードし、堅守で流れを渡さなかった。各県上位3校は東北大会(10月10日開幕、山形)に出場する。

東北の正捕手が機動力が武器の名門に立ちはだかった。1回無死、今大会4試合7盗塁の仙台育英・橋本航河外野手(2年)が中前打で出塁すると、日隈は集中した。「育英は走るチーム。ランナーを出したら盗塁は頭にあった」。準備はできていた。2番尾形樹人捕手(2年)の初球。橋本のスタートを確認すると、素早い送球で二盗を阻止。さらに1点リードの8回無死一塁では、カウント3-2から尾形が空振り三振。同時に二盗を試みた橋本を再び強肩で阻んだ。

チームは全6試合を継投で勝利。リードで引っ張る日隈の存在も大きい。この日は準決勝・利府戦に続き、エース右腕・ハッブス大起(2年)が先発した。ハッブスは「自分と日隈は絆で結ばれたバッテリー。安心して日隈が出したサインを自分は首を振らずにうなずいて投げきった」と相棒に絶大な信頼を置いている。6回無失点と強力打線を封じ、残り3イニングは2投手で1失点。10年間君臨する秋王者との「黄金カード」を1点差で制した。

チームは3年連続で東北大会に出場も、センバツ出場は11年から遠ざかる。

ハッブス 仙台育英に勝てたのは自信になるが、春のセンバツ出場が決まった訳ではない。一致団結して東北大会に乗り込み、優勝を目指してセンバツ出場を決めたい。

12年ぶりに優勝を果たした「TOHOKU」が、各県の強豪相手に一戦必勝で挑む。【相沢孔志】