山梨学院が初優勝に王手をかけた。

9回に打線がつながって打者一巡の猛攻で5点を挙げ、広陵(広島)を破って県勢初の決勝進出を決めた。

エース林謙吾投手(3年)が、またも踏ん張った。9回2死二塁、最後の打者を一ゴロに仕留めると、両手でガッツポーズ。捕手の佐仲大輝捕手(3年)と思いきり抱き合った。「試合が終わった瞬間、すごいうれしかったです。変化球が決まらなかったり、うまくいかなかったこともあったけど、気持ちで投げました」と笑顔で話した。

準々決勝までの4試合で合計436球を投じたエース。準決勝も、今大会5試合連続の先発を任された。本調子ではなく、持ち味の制球がわずかにズレる。今大会2つめの四球を広陵・真鍋に与えるなど初回、いきなり1失点を喫した。

しかし、それが好影響だった。「1回は力みがあってボール先行になってしまった。少し焦りがでた」。先制されたことで、冷静になった。2回からも毎回安打を許しながら、打たせてとる投球。野手の堅守にも助けられ、9回を被安打10の1失点。エースの仕事を果たした。冬に磨いた直球が効果的で「(今大会の)甲子園では、直球で一番押すことができた。成長した部分を出せました」と話した。

◆山梨県勢が初決勝 山梨県勢の決勝進出は春夏を通じて初。これで全国47都道府県のうち決勝進出経験がないのは山形、富山、島根の3県に。

◆山梨学院が6試合 記念大会の1回戦から登場した山梨学院は決勝が6試合目。センバツで1大会6試合は38年準優勝の東邦商(4勝1敗1分け)、91年優勝の広陵(5勝1分け)に次いで3チーム目。6勝すれば初めてとなる。林は決勝で投げれば38年東邦商の久野欽平以来2人目の6試合登板となる。

◆無失策試合 山梨学院-広陵戦で記録。今大会4度目。

◆毎回安打 広陵が記録。昨年準決勝の大阪桐蔭(対国学院久我山)以来。毎回安打で敗戦は15年木更津総合(対静岡)以来。

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