魔曲「アゲアゲホイホイ」が「逆転の報徳」復活を支えた。

準決勝の大阪桐蔭戦で、5点ビハインドから逆転勝利に導いた魔曲。決勝の舞台でも、チャンスの場面で軽快な音楽が鳴り響いた。

0-0の4回に無死一、二塁の好機を得ると、三塁側アルプス席から「アゲアゲホイホイ」の声。応援の効果もあってか、この回、相手投手のボークと西村大和内野手(2年)の中安打で2得点。アルプス席に集まった約1700人の応援の後押しで先制に成功し、8回1死一、三塁の場面でも得点に結びつけた。

現在は多くの学校が採用している「アゲアゲホイホイ」だが、発祥は報徳学園だ。

左右の足を交互に上げてジャンプし「ハイヤハイヤハイー。(ハイヤハイヤハイー。)アゲアゲホイホイ。(アゲアゲホイホイ)。もっともっとー!(もっともっとー)」と声をかける。「よっしゃいくぞー!」というかけ声で野球部員が先陣を切り、在校生が後から声をかぶせてグラウンドに力を送るという。

応援団長の大崎元輝外野手(3年)は「胸のあたりまで足を上げるのがポイントです」とにっこり。「みんな知ってくれてて、一緒にやってくれるのでありがたいです」。

大会出場校の中でも屈指の大所帯チームで、97人の部員を抱える。一体感にこだわるチームは、1~2週間の間、練習の合間を縫って練習してきた。

練習の指揮を執ってきたのは、団長の大崎。試合前、必ず3年生のグループラインに長文のメッセージを送る熱い部員だ。

同校野球部の植村颯太外野手(りょうた、3年)は「ひとつひとつの動きを止めながら『そこ合ってない』とか、指示を出してくれる。(僕も)『入りが違う』とか指摘してもらいました」。

気持ちをひとつに、応援に情熱をささげるからこそ、魔曲は魔曲たり得たのだ。

この日も「サンバ・デ・ジャネイロ」に合わせて熱狂的な応援を披露。21年ぶりの優勝には届かなかったものの、決死のプレーとインパクトある応援で聖地を盛り上げた。

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