<高校野球東東京大会:自由ケ丘学園19-3聖学院>◇14日◇2回戦◇神宮

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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聖学院の橋口風一(ふうい)監督(27)の最初の夏は、5回コールド初戦敗退で終わった。神宮球場で戦い「雰囲気にのまれてしまった。春から練習でやってきたことを、出したかったです」と悔しさをにじませた。部員は13人。ベンチでは監督が声を出して雰囲気をつくり「エラーをしても、三振をしても怒りません」。戻ってくる選手1人1人を、明るくハイタッチで出迎えた。

今年春から監督に就任した。香川県三豊市の出身。95年センバツ優勝校の観音寺中央ではエースだった。社会人になって上京し、今年3月までは、制作会社に勤務。TBS「THE TIME,」などのディレクターを4年間務めた。草野球などでプレーを続けていたこともあり、野球への思いが再燃。聖学院の指導者募集をネットで見つけて応募した。脱サラし、指導者をしながら仕事を掛け持ちする。

高校球児だった経験と、報道にたずさわった視点を併せ持つ。だからこそ「ワクワクするチームを作りたい。選手がワクワクしながらプレーする。高校野球ファンも『何か起こるかも』とワクワクしながら見てくれるチームにしたいです」。若き指導者の道は始まったばかりだ。【保坂恭子】

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