今春東京大会優勝校で第1シードの帝京が、中盤まで苦しみながらも最後は打力を発揮し、初戦を突破した。
郁文館のエース左腕・岡田を打ちあぐねた。出どころが見にくい軟投派に打たされ、5回まで4番稲垣渉外野手(3年)のソロによる1点のみ。先発の高橋蒼人投手(3年)は5回、6回と2度のリードを許した。だが、打線がそのたびに追いつき、粘り強さを発揮。4-4の7回無死一塁で、杉山勇心内野手(3年)が左越えに決勝2ランを放った。
杉山は「同点だったので、とにかくチームに勢いを付けようと思いました」と打席に向かった。バントも頭をよぎったが、ベンチの指示は「打て」。直球に狙いを絞り、カウント2-1からその直球を思い切り引っ張った。高校通算12本目の1発が、値千金の2ランとなった。
リードを許す展開でも、チームに焦りはなかったという。「常に、逆転しようと声をかけてました」と杉山。追いかける展開を想定した練習も重ねてきた。
杉山は大阪出身。上京し、帝京に進んだのは、住吉ボーイズの先輩に帝京の選手がいたからだ。コロナで甲子園大会が中止となった20年の時のキャプテンだった加田拓哉さん(現桐蔭横浜大)だ。「加田さんのように、タイムリーを打ってチームを引っ張る選手になりたい」と憧れる。加田キャプテンのチームは、20年の独自大会で東東京を制した。優勝はしたのに甲子園には行けなかった世代でもある。杉山は「自分たちが絶対に甲子園に行くと思って、やっています」と力を込めて言った。加田さんからは「頑張れよ」とメッセージが届いた。3代上の先輩の思いも後押ししてくれている。

