綾羽が、延長11回のタイブレークを制した。チームを勝利に導いたのはエースだ。
プロ注目の野川新投手(3年)は、この日もベンチスタート。1回に先制されるも、2回以降は両チーム無失点が続き、投手戦となった。8回に北川大夢(ひろむ)捕手(2年)が右前適時打を放ち、綾羽が同点に追い付いてタイブレークにもつれこんだ。綾羽は10回表、米原・宮田大晴投手(3年)を攻略できず、3者凡退。その裏、無死二、三塁のピンチを迎えた。ナインがマウンドに集まり、ベンチの方を向いた。
千代純平監督(33)は1アウトまで投手を交代させる気はなかったが、選手らの表情を見て腹をくくった。エース野川が今大会で登板がなかったのは、調子が上がっていなかったため。だが絶体絶命のピンチで、チームが頼りにしたのはやはりエース。1人目を自慢のストレートで三振に抑えると、三塁走者もタッチアウトに。最後は投ゴロに打ち取った。11回表に打線が爆発。6点を得て勝利を決めた。
緊急登板となった野川は、春の県大会後、コントロールがバラつき、ストレートの威力がなくなっていることを感じていた。このまま投げずに夏が終わることも頭をよぎっていたが、自ら「投げます」と意思表示することもできなかった。それでも「綾羽のエースとして自分が抑えたら流れが来る」と自らを奮い立たせマウンドに上がった。千代監督は「昨日までとは別人みたいなピッチング。今日がきっかけとなってくれたら」とエースの復活に期待を膨らませた。

