107年ぶりの優勝を果たした慶応(神奈川)。主将の大村昊澄(そらと)内野手(3年)は、中学まで過ごした地元・名古屋市内のメーカーのスパイクを履き、帽子のつばに「日本一の主将」と書くほど待望した栄冠をつかんだ。
堅実かつ軽快な守備で春夏連続出場に貢献した大村。その足元には、名古屋市中村区に構える「Bs Mark&Name」というメーカーのスパイクがあった。中学時代から同メーカーのスパイクを履いていたが、今春センバツ出場決定時に、同メーカー代表で大村の出身中学の先輩、水野翔太さん(32)へ連絡し、再び履くことに至った。
7月の神奈川大会前に、大村からスパイク購入を希望する連絡が届くと、水野さんは、スパイク購入のお礼と活躍を願い、スパイク内に敷く中敷きは、オーダーメードで足型にあったものを提供した。
足になじみやすい素材を使用した軽量スパイクを選んだ大村。水野さんはこの夏の後輩の姿をしみじみと振り返った。「かっこよかったなぁと。自分のことのようにうれしかったですし、うらやましく思えましたね。大学でもウチのスパイクを履き続けてほしいですよね」。
大村が甲子園の憧れを強くしたのは、小学生時代に聖地で見た福井章吾捕手(24=トヨタ自動車)の存在があった。主将として大阪桐蔭、慶大で全国優勝を経験。「甲子園期間中は、福井さんからもらった打撃用手袋をお守りにしてて。上背が高くなくても、強豪校でできると。いずれ社会人野球で一緒にプレーしたい」。憧れの存在とプレーする未来予想図を描く。
「高校野球を変えると言って、鼻で笑われることもあったけど、諦めなければ夢はかなうということを身を持って証明できた」。決勝直後に、そう打ち明けた日本一の主将。次の舞台でも、一番輝くメダルを先頭で光らせてほしい。【中島麗】

