日大山形が。羽黒を17-8の7回コールドで破り、東北大会出場を決めた。3回、渡辺拓海内野手(2年)の2ランなどで5得点を挙げ逆転した。
鶴岡東は九里学園を9-2の7回コールドで下し、東北大会出場が決定。先発・桜井椿稀投手(2年)が、7回3安打2失点の好投でチームを勝利に導いた。
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人生初本塁打で東北大会出場だ! 3-5で迎えた1死三塁。「ここで一本頼むぞ!」。笹大夏(ひろか)主将(2年)の声が響き渡った。渡辺は「大夏の気持ちに応えてやりたかった」と、内角カーブを捉えた当たりは左翼スタンドへ吸い込まれた。荒木準也監督(51)は「初回から点差をつけられた中で、流れを変える大きな本塁打だった」と称賛した。小学校時代にランニング本塁打はあるものの、柵越えの本塁打は人生初。初めての手応えに「気持ちよかった」と笑顔を見せた。
勇気ある決断がチームを救った。渡辺はここまで捕手としてプレーしてきたが、今秋は一塁手として出場。高い打撃力に目をつけた荒木監督は「一塁手をやってみないか?」と提案。渡辺は「悔しさはあるが、与えてもらったチャンス。チームに貢献したい」と迷いはなかった。一塁手の経験は、中学時代のたった1カ月のみ。「不安はあったが、チームメートに聞きながら覚えました」。チームに貢献したいという思いが実り、本塁打につながった。
「今度は自分が甲子園に連れて行く」。夏の甲子園では背番号「12」をつけてベンチ入りするも出場機会はなく、無念の初戦敗退を喫した。それでも、憧れの大舞台を前に渡辺の胸は高鳴った。春の選抜につながる秋季大会。「次は後輩たちに甲子園の景色を見せてあげるために、まずは秋の大会に全力を注ぎます」と意気込んだ。【木村有優】
○…鶴岡東は先発・桜井が7回を2失点に抑えたが「無駄球やカウントを悪くすることが多かった」と反省。新チーム始動後は、食事やトレーニング量を増やし、約4キロの増量に成功し「伸びのある直球を投げられるようになった」。日大山形との決勝戦に向け「目の前のチームを倒すだけ。先を見ずに、1戦1戦戦っていきたい」と意気込んだ。