帝京長岡は6-1で開志学園に勝ち、秋は92年以来31年ぶり決勝進出で、3校が得る北信越大会(10月14日開幕、福井)出場を決めた。

先発の茨木佑太投手(2年)が7回1安打無失点の好投を見せた。24日の日本文理との決勝は、延長11回サヨナラ負けした昨夏決勝のリベンジマッチになる。決勝、第3代表決定戦は24日、三条パール金属スタジアムで行われる。

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茨木は無表情のままだった。6回裏、先頭打者を四球で出し、次打者に中前に運ばれてこの試合の初安打を許した。無死一、二塁のピンチ。それでも「苦しいと思った回はなかった」。投前バントを処理し三塁で封殺、続く2人は凡打に打ち取った。淡々と小走りで三塁側ベンチに引き揚げた。

7回を投げ、被安打はこの1本だけだった。「試合前の投球練習から調子が良かった」と直球を主体で押した。開志学園に三塁を踏ませなかった。前回登板の2回戦・新潟産大付戦は6回2/3で5失点とスタミナ切れを起こしたが、この日は92球で「スタミナは大丈夫だった」と余裕を見せた。味方打線から5点のリードをもらい、7回で降板して左翼に入った。

7イニング投げたのは公式戦自己最長タイ。前回は公式戦初先発だった昨年の秋季県大会2回戦の新潟産大付戦で、6回2/3まで無安打で、直後に長打を許すが7回無失点投球だった。「あの時は無安打を意識した。今日はまったく考えなかった」。東京学館新潟との準々決勝の前日20日に、芝草宇宙監督(54)から「準決勝は先発で行くぞ」と告げられていた。「勝てば北信越大会出場が決まる」と意気に感じた。勝つことしか頭になかった。

北信越の出場権は手にしたが、やらなければならないことがある。決勝の相手、日本文理には昨夏の決勝で延長11回、1-2でサヨナラ負けした。マウンドにいたのは兄秀俊(19=阪神)。「絶対に勝たなければならない相手。行けと言われたら投げる」と連投を覚悟するエースに、芝草監督は「うちの柱」と全幅の信頼を寄せた。【斎藤慎一郎】

【開志学園】創部初の決勝進出はならなかった。帝京長岡の先発茨木から7回まで放った安打は1本のみと苦しめられた。6回に茨木から唯一の安打を放った1番の吉村遥喜右翼手(2年)は「チームとして対策はしていたが、内と外の使い分けがうまかった」と悔しそうな表情を見せた。今日24日の第3代表決定戦に勝利すれば北信越大会への出場が決まる。「初回から先頭打者らしく、流れを引き寄せる打撃をしたい」と吉村は前を向いていた。

◆北信越大会 24日には決勝戦と第3代表決定戦が行われ、上位3校は10月14日から福井県で開催される北信越大会(16校出場)に進出する。来春のセンバツ選考への参考資料となる大会で、北信越のセンバツ出場枠2を目指す。組み合わせ抽選は10月6日に行われる。