3年ぶり7度目の優勝を決めた瞬間、西日本短大付(福岡)の西村慎太郎監督(52)が男泣きした。「選手たちがよくやってくれた。素晴らしいチーム。感謝しかない」。感極まり、声が震え続けた。
高校時代、日本ハム新庄剛志監督(52)とチームメートだった。高3夏の89年決勝。甲子園まであと1勝のところで福岡大大濠に敗れた。新庄監督はサイクル安打の大活躍だったが、自身は負傷交代。遊撃手で先発出場したがイレギュラーした打球が首を直撃。試合中に救急車で病院へ運ばれる大けがを負った。「あの時、ケガもせず甲子園に行けてたら指導者の道を選んでいないです」と明かす。
あれから35年。決勝再戦でリベンジを決めた。2-2の8回2死一、二塁で8番山下航輝捕手(2年)が右翼へ決勝3ラン。歓喜を導いた。新庄監督のようなスター選手はいない。「中学の時に有名じゃなかった選手たちばかりです」。一丸で出場135チームの激戦区を勝ち上がった。
新庄監督は04年にマイクロバスを寄贈し、前回甲子園に出場した21年はTシャツを送った。西村監督は「今年はなんだろう?」と楽しみにし「日本ハムの監督だから。いい意味で報告もできる」と感無量だった。
福岡の代表校は直近8大会で最高3回戦止まりが続く。甲子園1勝がやっとの現状だ。「福岡県を代表して恥ずかしくないように。福岡県は『違うな』と言われる結果を残したい」。次は甲子園で新庄監督ばりの存在感を示す。【佐藤究】

