緊迫の決勝戦であっても、高校トップレベルの対決の時間だけは、2人の18・44メートルのただ1点に球場全体の注目が集まった。

群馬大会決勝、1点リードする健大高崎の7回の攻撃は1死二、三塁に。ここで前橋商ベンチは申告敬遠で3番高山を歩かせた。

1死満塁で、いずれもドラフト候補に挙がる前橋商・清水大暉投手(3年)と健大高崎・箱山遥人捕手(3年)の対決が実現した。

球場ネット裏がどよめいた。観客たちが一様に笑顔になった。好奇の表情、が正しいかもしれない。スカウト陣でさえ背筋を伸ばしなおした。健大高崎のムードメーカー、勝利への気合にみなぎる三塁コーチャーの金井俐樹捕手(3年)でさえも「なんかよく分からない感じで『プロ注対決!』って叫んでいたような気がします」という、そんな空間だった。

5回のこの日初対決は中犠飛で箱山が勝ったが、この打席は勝敗を決する可能性がある。球場全体がそれを察していた。勝負が決したのは4球目。押し出し死球。意外な結末だった。

ただ当事者にとってもしびれる対決ではあった。いつかプロの世界で再戦する可能性も十分にありえる。箱山は「今日も打席に入るだけで拍手を送ってくださる方々もいて。楽しみに感じてくださったのはうれしいことです。敷島球場がプロ野球で使われることもたまにあると思うので、いつかまた、お互いプロになって対戦できたらなと思います」と未来を描いていた。【金子真仁】

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