津田学園(三重)が佐川竜朗監督の47度目の誕生日をサヨナラ勝利で祝った。叡明(埼玉)との一戦は延長タイブレークに突入。4-4で迎えた12回無死一、二塁。9番伊藤璃空内野手(3年)が三塁線に犠打を転がし、一塁悪送球を誘って大熱戦に終止符を打った。投げては最速149キロのエース左腕、桑山晄太朗投手(3年)が12回を自責3の4失点にまとめて138球で完投。PL学園出身の指揮官にバースデー勝利を届けた。

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劇的な勝利を決めた瞬間、津田学園ナインが勢いよくベンチを飛び出した。何度もこぶしを突き上げ、思い思いに跳びはねる。ホームへ頭から飛び込み、サヨナラの生還を果たした二塁走者の正木は、雄たけびを上げた。「何としてでも、1点がほしかったので。セーフになろうと思って全力で走り抜きました」。

相手のミスを逃さなかった。4-4で迎えたタイブレークの延長12回の無死一、二塁。9番伊藤が三塁線へ絶妙な犠打を転がした。1死二、三塁かと思われたが、相手投手が一塁へ悪送球。正木は「自分の足ならいける」と確信。三塁ベースを蹴り、熱戦にピリオドを打った。PL学園出身で福留孝介氏(元阪神など)の1学年下にあたる佐川監督は「私が持っているというより、選手が持っている」と会心だ。この日が47歳の誕生日。ナインから1勝をプレゼントされ「何よりチームが勝てたことがうれしい」と笑った。

投げてはエース桑山が気迫の投球で12回を9安打4失点(自責3)にまとめ、138球で完投した。11回終了時に両足がつりかけて、1度はベンチ裏で治療も受けた。それでも「野手も必死にやっていた。自分がエースとして最後まで投げ切ればチームの勝利に貢献できると思っていた」と奮起。タイブレーク3イニングも1失点にとどめて計9奪三振。佐川監督にバースデー勝利を届け、「感謝の気持ちを持っている。最後は気持ちで、恩返しができたかな」と胸を張った。

佐川監督は「桑山がよく踏ん張って、内野手も無失策でよく守ってくれた。全員で戦うという意味で史上最高のチームと思っている」と目を細めた。チーム一丸で激闘を制し、初出場の17年から3大会連続で初戦突破。甲子園に旋風を巻き起こす。【佐藤究】