センバツ王者の横浜(神奈川)が、1時間7分の降雨中断も味方につけて、チームが掲げる「5-0野球」で敦賀気比(福井)に勝利した。初回、内野ゴロの間に先制点を挙げるなど4点を先行すると、試合再開の直後にも初球バントを決めて加点。試合巧者ぶりを発揮し、2度目の甲子園春夏連覇へ好スタートを切った。東洋大姫路(兵庫)は済美(愛媛)を振り切り、2回戦進出を決めた。
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磨き上げた“負けない野球”で、雨中の試合を制した。横浜が春夏連覇へ、力強くスタートした。
1回だ。無死二、三塁から阿部葉の一ゴロの間に、三塁走者の奥村凌が生還。なおも1死三塁から、奥村頼の中犠飛で2点目を奪った。2回にも3連打などで2点。効果的に得点を重ねた。
「常日頃から『5ー0野球』を掲げてやってきた。5点差をつけられるくらいの野球で試合の流れをつかむ。そこが勝因になる」と、村田浩明監督(39)は言う。4点リードで迎えた4回、雨脚が強くなり、無死一、二塁となったところで試合は一時中断に。1時間7分後、試合が再開すると、すぐさま奥村凌が初球バントで相手を揺さぶり、1死二、三塁から為永が逆らわずに左前へ運んで「5点目」を加えた。電光石火の追加点。「見えないところで、それぞれ考えて野球ができている」と指揮官は目を細めた。
悪天候の中でも、集中力は最後まで切れなかった。5回1死満塁の守りでは、レフトへの打球を捕った奥村頼が、レーザービームで本塁生還を阻止し、2年生右腕・織田の完封劇をお膳立て。奥村頼は「流れを変えるプレーであったと思うので、100点でした」。7回には中堅を守る阿部葉が、打球をダイビングキャッチ。攻守でゲームセットの瞬間まで力の限り戦う。「春のチームは捨て、夏の横浜をしっかり見せたい」と村田監督。夏になっても、春の王者には隙がない。【保坂淑子】
○…織田が横浜としては04年夏の甲子園、中日涌井以来の完封勝利を納めた。初回からカーブを軸に変化球でカウントをとり、力のある真っすぐで打ち取った。いつもならリリーフを仰ぐ終盤。村田監督に「もう交代するか」と声をかけられたが「投げさせてください」と続投を志願した。ギアを入れ直し、最終回も147キロを記録。「最後まで全力で投げきれた。本物のピッチャーになって帰って来ました」と胸を張った。
◆春V校の夏初戦 センバツ優勝の横浜が初戦突破。春の優勝校が夏に出場したのは49度目となり初戦成績は33勝16敗。完封発進は昨年の健大高崎1-0英明以来11度目。このうち2年生投手の完封発進は57年寝屋川戦の王貞治(早実)、63年富山商戦の池永正明(下関商)に次いで織田が62年ぶり3人目となった。66年中京商と10年興南は完封発進から春夏連覇を達成している。横浜が春夏連覇した98年夏は初戦6-1で柳ケ浦に勝ち、エース松坂は1失点完投だった(自責点0)。

