3回戦進出を決めた横浜・村田浩明監督(39)は野球の試合を“長い旅”と表現することがある。

「一瞬の甲子園ですけど、やってる時は5~6時間に感じるので」

高校時代は同じユニホームで捕手として、今は監督として。頭を巡らせて27個のアウトを目指す。

意外なシーンがあった。2点リードの7回1死一塁。三塁線へのゴロは投げる距離も長く、併殺崩れで一塁に走者が残った。

村田監督はここで片山大輔投手(3年)を伝令でマウンドへ走らせた。ミスがあったわけではないのに、間を置いた。理由は。

「あれはイヤな空気、感じたんですよ。タイムもまだいっぱい残ってて。タイムってやっぱり落ち着くと思うんですよ。お客さんが満員で、選手たちも『すげぇな今日』みたいに言ってたので。早とちりしないように。1回、間(ま)を置くには絶好のタイミングかなと思って」

あとアウト1つで7回裏もチェンジに-。2アウトを取った流れで、という判断はしなかった。

「僕はなんかイヤだったんですよね。ワンクッション入れないと、スーって行っちゃうなと思って。甲子園って本当に1球で大きく勝負が変わりますし、1つのアウトで本当に大きく変わるから」

微妙と思えた判定にベンチ全体が浮足立ったまま、直後に本塁打されて甲子園出場を逃した苦い思い出も、空気をおろそかにしない背景になっているという。

「最善を尽くして長い旅を進んでいく、って感じですね」

長旅を無事ゴールするには、休憩や背伸びが必要だ。【金子真仁】