茨城大会は、常総学院が9-8で明秀学園日立に逆転サヨナラ勝ちした。10回表に4失点したその裏に、5得点でサヨナラを決めた。10年ぶり夏の甲子園へ、王手をかけた。

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大逆転劇の裏には、「木内マジック」を知る男の言葉の魔法があった。

4-4で突入した延長10回タイブレーク。先攻の明秀学園日立に4点を取られ、こわばった表情でベンチに帰ってくる選手たちを見てゲキを飛ばしたのは、島田直也監督(56)だった。 「相手にできるんだからうちにもできるよ」、「伝説作るぞ!」

名将・木内幸男に教えを受けたOB監督の言葉に、選手たちは奮起した。早いカウントからどんどん振っていき、打者4人で4点を稼ぎ出し同点に。最後は1死満塁から佐藤泉里(せんり)内野手(2年)が決めた。

ここでも監督の声かけが。佐藤はこの打席まで無安打。緊張が見て取れたのか、「笑顔でいきなさい」と背中を押した。佐藤も気持ちを切り替え、「自分で決める」という思いで打席へ。1死満塁から、「打った球は覚えてないです」というほど無我夢中の状態で振り抜いた打球は左前に転がった。

3年生が本塁上で大喜びする様子を見て、「野球人生で1番うれしい瞬間です」と大粒の涙をこぼした。実は、大会2週間前に左ハムストリングスを肉離れ。「なにしてんだというところもあったと思いますが、それでも3年生は全力で応援してくれた。その気持ちに応えられた」と、恩に報いることができたからこその歓喜だった。

最後まで諦めない「常総らしい」野球でつかみ取った勝利。夏の甲子園には16年以来縁がないが、その16年茨城大会決勝の相手だった明秀学園日立を倒して王手をかけた。

25日に頂点をかけて戦うのは、2度決勝で対戦経験のある霞ケ浦。島田監督は「こういう試合をできるんだから。次は最後なんで、思い切ってやってもらいたいな」と選手たちに期待した。【服部航大】