1点リードで迎えた9回、2万人超の歓声に包まれた。無失点を続けていた八王子実践・奥山慎太郎投手(3年)が1死一、二塁を招く。エース塚原翔太投手(3年)がマウンドへ。「あとは頼んだぞ」。託された塚原は2死満塁と一打逆転のピンチを迎えたが、「気持ちで投げました」と渾身(こんしん)の1球。最後の打者を左飛に打ち取った。涙を流しながら、歓喜の輪の中心にいた。

今大会は6試合で13失点、うち完封が2試合。塚原と奥山の二枚看板がチームを春夏通じ初の甲子園へ導いた。塚原は「奥山が今大会ずっと調子が良くて、今日も安心して見ていられました。頼もしかったです」と相棒をたたえた。奥山は今春から本格的に投手に専念。もともとは内野手だった右腕は「塚原に練習法などいろんなアドバイスをしてもらって、いろんな方に支えてもらってきました」と感謝した。

創立100周年の節目の年に掲げた合言葉は「学校に歴史を残したい」。願いを現実にした河本ロバート監督(40)は「言葉にならない瞬間でした」と感慨深げに語った。東京の聖地、神宮球場も今年で竣工(しゅんこう)100年。「運命を感じますね」。次は全国の球児の聖地で新たな歴史を刻む。【田島優大】

◆八王子実践 1926年(大15)創立の私立校。生徒数は1669人(うち女子792人)。野球部は85年創部。部員数70人。甲子園は春夏通じ初めて。主な卒業生は大林素子、狩野舞子(元女子バレー日本代表)ら。所在地は東京都八王子市台町1の6。矢野東校長。

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