劇的な逆転Vの瞬間、社ナインは喜びを爆発させてマウンドに駆け寄った。23年の再現となった決勝カードは再び、社に軍配が上がった。

1点ビハインドの8回、1死一塁の好機で4番小倉臣斗外野手(3年)が打席に立った。「やっぱり僕が決めないといけない」と、4番の自覚に燃えた。カウント1-0からスライダーを振り抜くと、左翼へ飛び込む値千金の逆転2ラン。「確信です。気持ち良かった」と最高の仕事をした。

序盤から重苦しいムードで試合は進んだ。3回まで毎回三塁に走者を進めるも得点できず。5回には、今大会5試合で零封するなど、ここまで1失点のみの守りのチームが、初めて先制を許した。6回に追いつくも、直後の7回に再び勝ち越されたが、慣れない展開も想定済だった。小倉は「常に負けているイメージもしていた。逆転されても、勝っていても、常に自分たちは前へ進んでいく気持ちでやっていた」と全員が自分を、そしてチームを信じて戦っていた。

エースへの感謝の一打ともなった。決勝前まで28回2/3、計388球を投げ無失点のエース岩井秀耶投手(3年)が、痛めていた左臀部(でんぶ)の悪化により6回途中で降板した。小倉は「今大会やっぱり、岩井がすごい頑張ってくれた。すごい喜んでくれたんで、そこは良かったです」と、主砲から感謝の1発がプレゼントされた。

兵庫149チームの代表として、地元甲子園に乗り込むへ。「最高の舞台。思いっきりやっていきたい」と躍動を誓った。【佐藤妙月】

◆社 1913年(大2)に小野実科高等女学校として創立の公立校。48年から現校名。生活科学科、体育科、普通科で生徒数は685人(女子374人)。野球部は49年創部で部員数59人(女子マネジャー6人)。甲子園出場は春2度で夏3度目。主な卒業生は阪神近本光司、楽天辰己涼介ら。兵庫県加東市木梨1356の1。橋本智稔校長。

【高校野球 夏の地方大会】日程・結果はこちら>>