関東第一の失策が敗因である一方で、英明バッテリーの冷静さに脱帽という思いだった。5回、2死一塁で金子が2度目のけん制で刺された。これで英明はグッと流れを引き寄せた感は否めない。

そこまではけん制1回で、次の投球という流れだったが、このワンプレーで関東第一の足はかなり削られた。6回1死一塁では俊足成合に対し3連続けん制。スタートを切らせまいという執念に思えた。

積極走塁による機動力が関東第一の魅力の一つだが、そこを英明はしっかり対策してきた。そして7回、定位置よりもおよそ5メートルは前に守っていた関東第一外野手の頭を越す3点二塁打で試合は決まった。英明の試合の流れを切る、そして引き寄せる、という巧者ぶりが目を引いた。

1回裏、関東第一は無死一、三塁で3番田沢が捕邪飛に倒れたが、ここで英明の二遊間の守備位置は定位置よりも後ろ。東東京大会では、こうした状況では一、二塁間への進塁打で先制、併殺を免れればなお1死一塁で4番井口としてきただけに、本来の「らしさ」とは言えず、物足りなさが残った。

シート打撃から、内野、外野ともにミスが目立ち、それが試合でもそのまま出てしまった。大舞台で実力を出すことの難しさを教えてもらった思いだ。

OBとして最後までドキドキしながら見させてもらった。校歌は聞けなかったが、苦しい試合を全力で戦った後輩に感謝し、心からねぎらいたい。(日刊スポーツ評論家)

【甲子園】関東第一が10年ぶり初戦敗退…英明に逆転負け 米沢監督「ミスを見逃してくれない」